支払いの痛みを減らす方法

思考法

何かの代金を支払うとき、実は物理的に叩かれたのと同じような心の痛みを、脳は感じているといいます。

先払いをしてしまったり、支払った意味をポジティブに解釈することで痛みが軽減されるのです。

メンタルアカウンティング

日本語では、「心の会計」と訳されています。
行動経済学のリチャード・セイラーが提唱した言葉です。

ある時点でのお金の価値は、気の持ちようで変わるわけではありません。

ところが、苦労してやっと貯めたお金を使うときには慎重になるのに、思いがけない臨時収入だと、簡単に使ってしまったなんていう経験はありませんか。

旅行中はついつい開放的な気持ちになって、普段なら買わないようなものを軽く買ってしまうということもあるかもしれません。

悪い意味では、そういった無駄な浪費に気をつけなければなりませんが、この心理を逆手に利用することもできます。

たとえば、不意に出て行く出費というのがありますね。
友人の結婚式に招待され、洋服の用意やそれなりのご祝儀。喜ばしいこととはいえ結構な金額で痛い出費になるでしょう。

でも、「私にとっての痛い出費」よりも、「友人を祝福するために必要な経費」に意識を置くことで、心理的な支払いの痛みは軽減します。

「おめでとう!幸せになってね!」
「そんなあなたを近くで祝うことができて、私も幸せ!」

どうせ、使う金額が同じなら、そう思って気持ち良くお金を使いましょう。

わかりやすいのは、募金をしたときです。
そのお金で、困っている人、不自由をしている人のために少しでも力になれたということを考えると、募金したあとは気持ちが良いものです。

プレコミットメント

クレジットカードの明細書がくると、今月は結構つかっちゃったなー、なんて感じた事はあると思います。
計画的に使ったとしても、後払いだとそういう心理になりがちなのです。

プレコミットメントというのは、平たく言うと、やるべきことを先にやってしまうということで、メンタルアカウンティングの一種です。

支払いなら、先払いしてしまうというのはひとつの方法ですね。

「私、ダイエットを始めたから!」と身近な人に宣言してしまうというのも、同じような心理です。

将来の利益のために、先に約束してまうのです。

先述の例にした思いがけない出費も、事前に用意しておくと気持ちが穏やかでいられるでしょうね。
冠婚葬祭のために、何もなくても毎月一万円はかならず除けておく。なかなか難しいことですけど、そういった準備はストレス軽減に重要です。

なかには、スピード違反で捕まったときの資金を除けておくなんていう強者の話も聞いたことがあります。

もちろんスピード違反はしないことが正しいですが、それはともかく、急な出費用のお金を、自分で先払いしておくというのは良い方法ですね。

お金よりもストレスを節約したい

無駄な浪費をしないというのは大事なことですが、どうしても支払う必要があることから離れることはできません。

そのときに、どうせ支払うならストレスの少ない気の持ちようできたいものです。

安売りの行列に並びますか?
僕はセコい人間ですので、以前なら並んでいました。

ほんの少し安く買えることが節約したような気になっていましたが、並ぶことで浪費する時間、そしてイライラしながら並んでいる人たちに囲まれるストレスの方がはるかに大きいことに気付き、今ではそういうことはしません。

気持ち良く払えるお金の使い道を考え、同じ使い道でも、気持ちが良かったと思える理由をつけるとストレスが減ります。

無理に安売り行列に参戦せず、少しくらい高くてもストレスなく買い物ができたと思えたら、差額以上の価値を感じることもできます。

まとめ

マネーリテラシーのテクニックとは違い、支払うことが避けられない場合のメンタルについて書きました。

メンタルアカウンティングを上手く利用して、良い方に自分の脳を錯覚させましょう。

支払いや努力など辛いことは先に、良い結果をあとに持ってくることで、代償の痛みは軽減します。

お金よりもストレスがない選択を重視して、心の豊かさも大切にしましょう。

この記事を書いた人

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長岡慶一郎。札幌出身。システム開発、寺院仏具の仕事などを経験。合同会社長岡念珠店を経営。販売だけでなく、数珠の作り方や知識に関するオンラインスクールの運営中。現在は、経営ノウハウを生かし、スモールビジネス向けのコンテンツを発信、起業・副業したい人のための個人向けコーチングにも注力している。2022年より「まなびライフオンライン講座」もサービス開始。

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